イチゴの苗を入手するのはどうしたらいいの? |
イチゴ苗は、無病の優良苗を導入してくださ。
新しくイチゴを栽培しはじめるとき、あるいは長年自家で維持している株がよい成績があがらないときは、新しく勢いのよい優良苗を求める必要があります。
とくに近年は、株全体が矮化したウイルス汚染株に対して、茎頂培養という方法を用いて、ウイルスをフリーにした素質の良い苗を使うようになってきているので、更新を機会にこれを導入すると、栽培成績もたいへんよくなります。
ですから、素人のお友達からランナーを分けてもらうよりは、専門の栽培者のものを導入し、これを維持し、3年に1回くらい更新することをおすすめします。
よい苗に育て上げるには親株一株から50〜70本も出るランナーを、7月下旬〜8月上旬ころ、新しく設けた苗床に植え付け、肥料を与えたり、灌水したりして管理を入念にします。
9月中旬ころには、株の周囲に移植ゴテを入れて断根し、追肥をして苗を仕上げます。
はじめにランナーを苗床に植えつけるときの株間は9×9cmくらいでよいのですが、最終株間は15×15cmくらい与えて、込み合わないようにします。
こうして育て上げた苗を10月中旬ころ、本畑に植え付けるようにすると、毎年よい果実を収穫し続けることができます。
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イチゴの古い葉や枯れた葉は、取り除くほうがよいのでしょうか? |
イチゴの枯れ葉は、病気や害虫が発生するので取り除いてください。
イチゴの葉の増え方は、ほかの野菜に比べるとたいへんゆっくりで、展開した葉数も生育の前半期、3月ころまではせいぜい15枚くらいです。
イチゴの葉をよく見ると、もとの葉はしだいに小さくなり、葉の色やつやも悪く、一見して老化した様子がうかがわれます。
あとから出た若い葉の下になって、役目が終わったように見えます。
事実、これらの葉は同化機能が低くなり、そのままにしておくと、病害や害虫の発生のもとになるので、新葉が育つにつれて、逐次葉のつけ根からかき取るようにして摘葉します。
この摘葉は苗床で2回程度、本畑で越冬前と越冬後の伸びが盛んになる前くらいに行うようにします。
あんまり頻繁に摘葉し、同化機能が高い葉を取りすぎると、明らかにマイナスになるので注意してください。
かき取った病葉は乾かして焼却し、来年の病害の伝染源にならないようにしましょう。
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イチゴ栽培の肥料の与え方の注意点は? |
イチゴは、肥料の与えすぎに十分注意してください。
イチゴの本畑期間は約9ヶ月で、野菜のうちでも長いほうです。
そういう意味では、肥料が多くいりそうですが、植物体は小さく、収量も1株200g内外と少ないし、冬越しで育ちもゆっくりなので、そう多く与えることはありません。
冬越しに備えて、根をしっかり張らせるための元肥と第1回の追肥と、春先の成長をうながす第2回の追肥を与えるだけで十分です。
イチゴの根は、肥やけに大変弱いので、直接根に触れるようなやり方や、やりすぎには十分注意しましょう。
まず、元肥は、堆肥と油粕、化成肥料を畝全面に深さ15cmほどによくうない込みます。
この作業は植え付けの少なくとも半月前に完了し、肥料を分解させはじめておきます。
追肥は、1回目を11月上〜中旬に、2回目を2月上〜中旬に施します。
1回の施肥量は、1株当り化成肥料小さじ1杯、油粕小さじ2杯とし、畝の面側の根を切らない程度の所に軽く溝を作って施し、土を返しておきます。
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イチゴに使うマルチングのフィルムの色は何色がよいのでしょうか? |
イチゴ栽培には、黒色フィルムを上手に使う
薄手のプラスチックフィルムにもいろいろな種類や色のものがあります。
ポリエチレンや塩化ビニール、それらに透明やにごったもの、各種の顔料を加えた着色のものなど、実に多彩です。
このほかにもアルミ粉を加えたり、薄く蒸着したりした反射性のものもあります。
それぞれ特性が大きく違うので、マルチの目的に応じたものを選ぶことが大切です。
イチゴには黒色が最適です。
その理由は、長い生育期間に手こずる雑草を抑止できることと、冬の日射を黒体が効率よく吸収し、地温を高める効果が上がりやすいからです。
ただし、土の表面の凹凸が大きいと、せっかく上昇したフィルムの熱が土に十分伝わらないので、できるだけ空間をなくし、密着させるよう、土の表面を平らにして張るようにします。
透明フィルムには凹凸があり、空気層が大きいほうが地温の上昇効果は大きくおらわれ、使用上の留意点は黒色とは大変違ってきます。
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